<日本鋼管病院>診療報酬過大受給か 育休看護師ら「常勤」(毎日新聞)

 日本鋼管病院(川崎市)が08年、入院患者の医療費算定で基礎となる診療報酬の「入院基本料」最高ランクの施設に該当すると国に届け出た際、常勤看護師数を30人以上水増ししていたことが分かった。「入院患者7人につき看護師を1人以上配置」との要件を満たす証明として、育児休業中の看護師らも含めた架空の勤務計画表などを添付していた。診療報酬を1億5000万円以上過大に受け取った可能性もあり、関東信越厚生局神奈川事務所は近く、病院を立ち入り調査する方針だ。

 同病院は08年7月、神奈川社会保険事務局(現厚生局神奈川事務所)に、一般病棟7病棟の看護師配置を、それまでの「10対1」から「7対1」とする施設基準の届け出を提出。添付した看護職員名簿では、207人の常勤看護師(准看護師を含む)がいるとした。

 だが、毎日新聞が入手した08年7月1日現在の職員配置表によると、207人中15人は隣接するクリニック勤務で、14人は病院の中央手術室など病棟以外の勤務だった。また、3人は育児休業中、1人は産休中だった。

 病院事務局は取材に水増しを認め、「当時の病棟勤務の看護師は175人で、人繰りを円滑にするためクリニックからも非常勤で応援に入れたが、手続きの理解不足で全員常勤扱いにしてしまった」と説明。勤務計画表では育休中も含めほぼ全員をフルタイム勤務としていたが、「記載ミス」とした。そのうえで「正しい勤務時間を計算し直した結果、7対1を満たしていた」と説明するが、再計算結果は「内部資料」として示していない。

 厚生労働省保険局によると、労働時間の要件を守って7対1基準を満たすには、患者1.4人に対し看護師1人の常勤雇用が必要。同病院の申請時の平均入院患者は282人で、必要な看護師は202人になる。応援の非常勤看護師も常勤で働かない限り、基準は満たせない計算だ。同病院は09年3月、施設基準を10対1に戻す届け出をしたが、それまでの約8カ月分は過大請求の可能性がある。

 厚生局神奈川事務所は「当時の看護師の勤務状況が7対1基準を満たしていたのか、病院に説明を求める」としている。【清水健二、野口由紀】

 【ことば】看護師配置7対1の施設基準

 医療の質向上を目的に、06年診療報酬改定で導入。患者1人当たりの1日の入院基本料が1万5550円になり、それまでの最高ランクだった10対1(現行1万3000円)より医療機関の収入が増える。しかし、看護職員の総数が大幅に増えない中、大病院による看護師の囲い込みが過熱し、08年改定後は手厚い人員配置が必要な医療行為を行う施設でなければ加算が認められない。

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